抜歯の判断基準
歯周病罹患歯の抜歯条件】 〈1)病状および症状 以下の複合症状がある場合は抜歯条件となりうる。 1)x線像による判断:歯根周囲全体の明らかな透過像の存在。これは撮影や現像条件によって変化するので注意する。 2〉動揺度:3度。複根歯は骨破壊と同調しないことがある。 3〉歯周ポケットの測定深度:各歯根長を超える。 4)膿瘍形成:初めて、頻発。 5〉ポケットより排膿:常時、時どき。 6)ポケットよりの出血:歯ブラシ使用時。 7〉プローピング時の出血:常時。 8〉自発痛:常時、時どき。 9)咬合痛:常時、時どき。 10〉歯内療法が不能の膿漏歯。 (抜粋 デンタルダイアモンド増刊号vol.15 no.9 保険医のための最新歯周治療システム278頁 伊藤輝夫) |
一般的には、歯槽骨の吸収が高度(歯根長2/3〜3/4以上)のもので、動揺の著しい(動揺度2+〜3)症例で、水平歯槽骨吸収であったり、幅の広い骨欠損形態のもの。 また、口腔清掃が十分行なえないような歯根形態や歯列不正があったり、患者の協力度が欠如している症例にも抜歯を適応する場合があります。 (歯周に強くなる本 松江一郎 日本大学松戸歯学部教授 クインテッセンス出版) |
歯槽骨の吸収が高度(歯根長2/3〜3/4以上)によれば,歯根長を12ミリとすれば8〜9ミリ,15ミリとすれば10〜11ミリのポケット長があれば,抜歯して良いと判断する。 40才以上の人は2ミリぐらい引いた値を抜歯判定基準のポケット値とした方がよい。 12ミリは上顎歯根が概ね12ミリであり,下顎歯根は15ミリが多い。 『患者の協力度が欠如している症例にも抜歯を適応する場合がある』には気をつけた方がよい。 たとえば3mmまでは正常であること,4mm少し悪い,5mmかなり悪い,6mm絶望に近い,7mmほぼ絶望,8mm抜歯になるかもしれない,と,これから測る数値の意味をおおよそでよいから理解させておくことである. (抜粋引用文献 岡本 浩 著 デンタル ハイジーン別冊 1991/歯周治療.いま果たすべき歯科衛生士の役割 8ページ 医歯薬出版株式会社) |
以上の参考資料を総合的にまとめ判断すると,小生の判断基準もほぼ妥当と納得して頂けるものと期待している。
なお,この表は公に認められたものではないので,参考程度と考えて欲しい。
岡野式歯周基本検査表の見方
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