歯周病によって歯並びは悪くなるlaw
- 症例10 歯周病によって歯並びは悪くなる 。
- 38才の女性。口臭はない。口腔清掃は人並みに出来ている。歯並びが悪い。
- しかし,この歯並びの悪さは歯周病によって引き起こされた可能性もあるので「歯並びが悪い」と断定は出来ない。
- 若くても歯周病には成る。
- 「歯周病によって歯並びが悪くなる」
- 歯周病をコントロール出来なければ矯正をやって歯並びを整えても無駄。
- 歯並びが悪いと歯周病に成りやすいのは本当。
- 歯並びが良くても歯周病になるのも本当。
- 若くても歯周病には成る。
- 70才でも口腔清掃が悪くても歯周病にならず歯茎がやせない人もいる。
- 若かさは何の保証にもならない。
- 歯周基本検査で歯周病悪化の兆しがみられたら柿渋歯磨きをすればよい。ジスロマックを飲めばよい。
- 前途を悲観することはない。
- 早めの治療に取り組めばブリッジなどの歯科治療は必要ない。歯周基本治療だけで済む。
- 若くても歯周病には成る
- 歯牙は根尖までヘドロ状 5┓はEPPが9, TMが3であり,レントゲン写真も悪いので抜いた。
- 様子を見るのも一案だが,大抵は抜去すると歯牙は根尖まで細菌の塊であるヘドロ状なもので包まれ汚染されている。
- 術前
- このように歯科治療を行いつつ柿渋歯磨きを使うとこのように変化して改善する。
- レントゲン写真をみてその変化を見て欲しい。
- ここまで回復したのは76┓の歯を冠で連結して
- 1、76┓間に食べ物が入るのを防いだり(食片圧入阻止),
- 2、歯と歯に隙間があると横揺れのダメージを受けやすいがそれを防いでいるからである。(咬合圧の軽減&動揺阻止)
- 柿渋歯磨きだけでここまで回復することは決してない。
- そろそろ皆さんも歯周基本検査表の見方がわかってきたことと思う。
- ここからは歯周基本検査表を見ながら治癒過程を見て欲しい。
- 17.11.22に2回目のジスロマックを投与した。
- 18.3.28に測定者が変わった。少し検査が甘すぎる気がする。そのうち慣れたらもっと厳しくなるだろう。
- 悪化し始めると抗菌剤ジスロマック投与で菌を叩く必要がある。歯周基本検査はその際の目安となる。
- 16年10月27日ジスロマック投与。
- 17.11.22に2回目のジスロマックを投与。
- これを見ると概ね1年に一回ジスロマック投与する必要がある。これは他の症例でも観察される。
貧しく自然に生きれば虫歯にはならない
- 貧しく自然に生きれば虫歯にはならないが,貧しく生きても歯周病にはなる。
- 何故歯周病になるのだろうか?
- 答えは細菌のエサの違いにある。
- 虫歯菌のエサが砂糖であるのに対し,歯周病菌のエサが蛋白質であるからだ。
- 虫歯菌のエサは炭水化物、とくに砂糖が大好き。
- 砂糖を食べられない貧しい彼らには虫歯が少ない。
- 一方、歯周病菌のエサはタンパク質。
- 三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂肪からは逃れることは出来ない。
- 人間の体はタンパク質で出来ている。タンパク質を摂らなければ体を維持することは出来ない。
- どんなに貧しく生活していようとも、タンパク質は口の中に豊富にあるのでエサに困らない。だから歯周病になる。
- 歯周病菌は蛋白質をバクパク食べている訳ではない歯周病菌は蛋白質をバクパク食べている訳ではない。蛋白質分解酵素を放出して,溶けたもの(ペプチド,アミノ酸)を吸収している。
- そのためは消化液をたくさんポケット中に放出しなければならない。
- 一方白血球は歯周病菌を殺すためにやってきて,これも歯周病菌を溶かすための消化液(蛋白質分解酵素)をドバァーと放出する。
- これらの消化液(蛋白質分解酵素)が上皮を溶かし潰瘍を作る原因となる。
- 柿渋は蛋白質分解酵素と反応して凝集物を作り,消化液による上皮溶解作用が止まり,潰瘍形成が止まる。慢性炎症が止まる。
- 柿渋歯磨きで細菌のエサであるタンパク質と食餌手段、消化分解手段であるタンパク質分解酵素を奪えば,細胞内に栄養を取り込むことが出来ないので衣食住の食を失い歯周病は治る。
- しかし,現実には、歯周ポケットに絶えず上皮から剥離上皮や浸出液、血液というタンパク質が注ぎ込まれていて,エサ断ちは容易ではない。
- ポケットの化学的清掃によりこれら(剥離上皮や浸出液、血液というタンパク質)が口腔内から排除されると口腔内,ポケット内は貧栄養下に置かれてしまうため,歯周病菌にとっては辛い生活を強いられ増殖をストップすると思われる。
- 柿渋歯磨きによる改善効果がそれを物語っている。
細菌の衣食住に着目した口腔環境コントロール
- 歯石や歯垢清掃 歯石や歯垢清掃は住を奪う行為である。
- 歯周病菌は蹴散らしても蹴散らしても生き残り増殖する。
- 口腔細菌は100-300種いるという。
- 細菌の数を減らせばその悪さも大したことはないが,その数が多くなるとその被害が目に余るようになる。
- 歯垢清掃,歯石除去の大切な理由の1つである。
- 細菌の衣食住に着目した口腔内環境コントロールで虫歯や歯周病をコントロールして欲しい。
- そうすれば虫歯も歯周病も止まる。
- 虫歯はシュガーコントロール 歯周はプロティンコントロール。
制作著者情報
岡野歯科医院
〒571-0011
大阪府門真市脇田町17-1
TEL.072-881-7314
FAX.072-881-7395