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柿渋歯磨液で治る理由
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現在の歯周病予防で治るのか?
キーワード:
虫歯は年代に関係なし
歯周病は年代に関係あり
歯を磨かないでも砂糖をやめ,硬いもの,粗食で過ごせば虫歯にはならない。
貧しく自然に生きれば、虫歯にはならないが歯槽膿漏にはなる。
これはテレビで貧しい国のの貧しい人々の口元を見れば分かる。
何故歯周病になるのだろうか?
答えは細菌のエサの違いにある。虫歯菌のエサが砂糖であるのに対し,歯周病菌のエサが蛋白質であるからだ。
タンパク質と消化液(タンパク質分解酵素)を取り上げれば、歯周病は治る。
果たしてそうだろうか?
何故歯周病になるのだろうか?
答えは若さの違いにある。
20代を過ぎると歯周病に悩む人が出てくる。
大多数の人は50代前後に歯周病で歯を全部失ったという人が出てくる。
虫歯は年代に関係ないが,歯周病は年代に関係する。
若くても虫歯にはなれるが,若くして歯周病にはなれない。年とっても虫歯にはなれる。
歯周病罹患の理由として 免疫能力の低下 があげられている。
免疫能力が低下すれば風邪を引きやすいということか?
周りの人を眺めると必ずしも歯周病の人の方が風邪を引きやすいとは思えない。
幼児は免疫能力の未発達で感染しやすい。しかし,歯周病にかかった幼児を頻繁にみることはない(特異的遺伝体質の幼児は除く)。
幼児と中高老年の違いは歯周組織の再生能力の違いにある。
0-9代は乳歯と永久歯の混合歯列で歯冠に歯肉が引っ付いている。10代後半まで歯肉は歯冠に引っ付いている。
歯肉が歯冠部より離れ歯根部に移行した頃より歯周病は始まる。
なぜ歯肉は歯冠部より離れるのだろうか?
その答は萌出にあり。
歯肉が歯冠部にくっついている時はまだ歯は萌出時にある。
歯肉が歯冠部から離れた時点で萌出が完了する。
萌出完了後、歯冠と歯根部の境目である歯頸部から歯肉が下がることを退縮という。
退縮は年代に比例するのだろうか?
同じ50代でも歯茎が下がり歯と歯の隙間があく人もいれば、そうでない人もいる。
そうすると,かならずしも年代に比例するとは言えないということになる。
免疫能力は年代に比例する。組織再生能力も年代に比例する。
歯磨きする人としない人がいる。
歯磨きの丁寧な人とそうでない人がいる。
これは若い人も中高年も関係ない。年をめされた方でも丁寧に歯磨きされたお口に接することは度々ある。
歯茎が痩せた症例の中には、綺麗に磨いても遺伝的に歯茎が弱く炎症を起こしやすい人や、口腔清掃が悪いため歯茎に炎症を起こす人がいる。
爪楊枝を突っ込む人にも多い。
歯茎に炎症を生じると歯茎が痩せる。炎症がなければ歯茎は痩せない。
炎症を止めれば歯茎はやせない。炎症を止めるには炎症性物質をなくせば良い。
炎症物質を取り除く方法として、歯垢清掃や歯石除去がある。
しかし、それだけでは治らない。何故だろうか?
答は遺伝体質と歯肉環境にある。
それについて考えてみよう。
主婦の友読者から
主婦の友読者から、こういうお手紙をもらった。その一部を紹介する。
主人は現在50歳になります。(中略)
ところが、3年前くらいから口臭がするので私のかかりつけの歯医者さんで治療を続けています。
最初は歯石をとり初め、現在はひどい歯ぐきを切開し、歯石を取り様子をみている状態です。
特にこのごろは固いものが奥歯ではかめず、やわらかいものを食べると言っていますが、まだ若いのにそれではと思っています。(中略)
とても心配です。(中略)
いろいろためしているのですが効果がみられず、歯医者さんには定期的に通っているんですが、先生も治療もだいたい終わって
他に治療がないと首をかしげております。
(中略)
このごろ、やわらかい食べ物と言うんです。まだ、若いのに、あごの筋肉がおちたり脳がおとろえたりしたらと悩んでいます。
そんな時柿渋歯磨きの記事を読みました。
近くにリストに載っている歯医者さんもなく、通院も難しいので、(中略)ぜひ試してみたいので、アドバイスと共に柿渋歯磨きをためしたいのです。
通院もしないで、まして歯もみせず、無理を承知でお願いします。どうぞ主人を助けて下さい。
どうして「
他に治療がないと首をかしげております。
」
という事態が生じるのであろうか?それは以下の説明文で説明される。
現在の歯周病予防
現在でも歯周病の予防は、1960年代の病因論に基づいた方法に頼ったままである。
すなわち、歯石を除去するスケーリングとプラークを物理的あるいは化学的に除去するプラークコントロールが主な歯周病の予防法として用いられている。
われわれ歯科医療従事者が歯石除去やプラークコントロール以外の有効な歯周病予防法をもっていないことによるものと思われる。
参考文献を紹介する。
第11章 歯周病の予防と治療の現状と将来展望 古賀 敏比古 九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座教授 459-461頁 先端医療シリーズ.歯科医学2 歯周病 先端医療技術研究所 2000年8月31日発行
1,歯周病の予防と治療の現状と将来展望
1.1はじめに
わが国においては若年者のう蝕が減少の傾向にある。例年文部省から発表される「学校保健統計調査速報」によると、12歳児の一人平均DMF歯数(一人平均う蝕経験歯数)は昭和60年度に4.63であったが、平成元年度では4.30、平成5年度では4.09、平成11年度では2.92にまで減少している。
一方、厚生省の「歯科疾患実態調査」によると、5歳以上の人で永久歯の歯肉に所見がある人の割合(率)は、昭和62年度において64.3%であったが、平成5年度において68.1%、平成11年度においては72.9%と逆に増加している。
5歳以上の人の歯周炎の罹患者率の方も、平成5年度において23.4%であったが、平成11年度においては32.5%と増加している。
なぜ、最近の国民と歯科医療関係者の歯周病に対する関心の深さにもかかわらず、歯周病の予防対策は効果が上がっていないのだろうか。
本草では、この点について考察し将来の歯周病予防のあり方について考えてみたい。
1.2 プロフェショナルケアの推進の必要性
歯周病の予防のための手段としては、地域・集団単位で実施する公衆衛生的ケア(public healthcare)、個人が実施するセルフケア(self-care)、歯科医師や歯科衛生士などが実施するプロフェショナルケア(professsional care)に分類できる。
現在実施されている歯周病の予防を目的とした公衆衛生的ケアとしては、健康教育、食生活指導、口腔衛生指導などがある。
最近、歯周病のリスクファクターとして喫煙、肥満、心理的・社会的ストレスなどが注目されるようになってきた。今後、これらのリスクファクターに関する健康教育が重要視されるようになるだろう。
しかし、われわれ歯科医療関係者は、歯周病の予防に真に有効な公衆衛生的手段を未だ手にしていない。
将来的には、公衆衛生的ケアのために歯周病ワクチンなどの開発を推進すべきであろう。
セルフケアとしては、食生活の改善、口腔清掃、セルフチェックなどがある。
歯周病の予防における歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを用いた口腔清掃の重要性は言うまでもない。
プロフェショナルケアとしては、口腔衛生指導、歯石除去、専門家による機械的歯面清掃(profbssional mechanical toothcleaning;PMTC)、定期検診などがある。
これまでの歯周病の予防は、ややもすれば画一的なブラッシング法などの指導を行い、セルフケアに重点を置いたものであった。
歯周病を発病した患者に対しては、患者自身のセルフケアの不足のせいにすることが多かった。しかし、セルフケアのみに頼る歯周病の予防の効果には、おのずと限界がある。
歯周病は複数の病型からなる疾患であり、個々の人がもっている歯周病のリスクファクターは異なっている。
今後は歯科医師や歯科衛生士のような専門家による個人がもつリスクファクターに対応したきめ細かな口腔保健指導や口腔健康管理が重要視されるべきであろう2)。
とくに、専門家による定期的な歯石除去やPMTCは歯周病の予防には効果的である。
21世紀においては、
歯科医療は旧来の“疾患治療型"から“保健管理型"に転換すべき
であろう2)。
1.3 若年時からの口腔管理の必要性
歯周病は一般に成人病あるいは老年病としてとらえられている。
しかし、平成11年度の厚生省「歯科疾患実態調査」によると、歯周炎(歯周ポケッ3ト4mm以上)に罹患した人の割合は、5〜14歳で0%であるのに対し、15〜24歳で10.4%、25〜35歳で21.5%、35〜44歳で31.5%、45〜54歳で43.5%、55〜64歳で50.0%というように20歳以後に急激に増加している1)。
さらに、重要な疾患として早期発症型歯周炎の存在もある。
これらのことから、歯周病の予防は、二十歳前の早期に開始しておくべきであろう。
1.4 病因論に基づいた新しい歯周病予防法の開発の必要性
1960年代まで、歯周病の原因は歯石やプラークであると信じられてきた。
その後、免疫学の発展にともない宿主の応答が重要視されたり、特異的な細菌が次々と歯周病の原因菌として浮上した。
現在では、歯周病はいくつかの特異的な細菌と宿主との相互作用によって惹起されると考えられている。
しかしながら、
現在でも歯周病の予防は、1960年代の病因論に基づいた方法に頼ったまま
である。
すなわち、歯石を除去するスケーリングとプラークを物理的あるいは化学的に除去するプラークコントロールが主な歯周病の予防法として用いられている。
確かに、歯周病細菌が生息しているプラークを除去することやプラークが付着しやすい歯石を除去することは、歯周病の予防には一定の効果がある。
しかし、今後歯周病の予防をさらに推進するためには、原因となる歯周病細菌を
直接抑制できる方法
や
素因である宿主の防御機構をコントロールできる方法
の開発が望まれる。
歯周病細菌をコントロールする方法としては、先ず第一に歯周病ワクチンの開発が期待される。
遺伝子操作により大量生産した歯周病細菌の病原因子がコンポーネントワクチンとして使われるかもしれない。DNAワクチンも応用される可能性もある。
また、タバコなどの植物に歯周病細菌に特異的な抗体を発現させて得た植物抗体やウシを免疫して得た植物抗体などを応用した受動免疫も開発されるかもしれない。
さらに、歯周病細菌を特異的に抑制する抗生物質や抗菌剤の開発も可能である。この場合、菌交代症を発生させることがないようにしなければならない。
また、
プロテアーゼやロイコトキシンのような歯周病細菌の病原因子を阻害するような薬剤
も歯周病の予防に使えるかもしれない。
しかし、歯周病細菌のなにがほんとうの病原因子なのかは不明なままである。
1.6 おわりに
上述したように、近年、歯周病に対する国民の関心が強まっているにもかかわらず、わが国における歯周病の罹患状況は改善されているとは言い難い。
これは、われわれ歯科医療従事者が歯石除去やプラークコントロール以外の有効な歯周病予防法をもっていないことによるもの
と思われる。
今後、歯周病の発病メカニズムの解明と病因論に基づいた新しい歯周病のリスク評価法・予防法の開発がさらに進展することを期待したい。
歯周病をコントロールしよう
「虫歯は一本もないのに、歯槽膿漏で全部なくなった」と言う人がいる。
この違いは虫歯菌と歯周病菌のエサの違いによると述べたが,歯周病になりやすい体質遺伝の影響は大きい。 これをここのリスクファクターと言う。
まだ100%の症例を救えず難症例にも遭遇しているので「歯周病で悩むことはなくなったと思う」とは言い難いが、
この症例や他の症例でお分かりのように、なんとか以前よりは歯周病をコントロール出来るようになったと自画自賛している。
先進国日本にあって、歯科医院が乱立する日本にあって、歯周病の検査を受けないのは恥ずかしいし何の言い訳にもならない。
自覚症状に頼るのは下の下である。自覚症状は末期症状の表れである。
皆さんはこの症例でそれを理解したはず。
手遅れにならないうちに最寄りの歯科医院で歯周病検査を受けて頂きたい。そして早い段階で歯周病を叩いて欲しい。
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