本文へスキップ

ウッドピロスクラブは歯周病を専門とするクラブです。

電話でのお問い合わせは072-881-7314

メールでのお問い合わせはこちら

ブリッジの設計item list

ブリッジの設計

ブリッジの設計
  • 「ブリッジの設計 (歯科臨床ハンドブック-臨床ヒント集ダイジェスト版2006年1月10日発行クインテッセンス出版 229-300頁)」をたたき台として,口腔内の環境の変化によって歯がどのように変化するかを見てみましょう。
  • 図2−3 小臼歯における歯槽骨の吸収と歯根表面積の関係(Rosenstiel SF:in Rayne J ed.General treatment,London,1983,Kluwer Publishingより改変).
  • a.固定性ブリッジの支台歯
     
  • 欠損歯をブリッジで補うためには,欠損部が咬合に寄与していたであろう支持カと同等以上の支持カを負担する支台歯が必要と考えられる.
  • したがって,欠損した歯と支台歯の歯根表面積を比較し支持カに対する負担を考慮する方法がとられる(図2−2).
  • しかし,人種の違いや個人差によって歯根表面積にはばらつきがあることから,歯周疾患の影響,歯軸傾斜,対合関係,偏心運動時の咬合接触などさまざまな条件を考慮しなければならない.
  • とくに歯槽骨吸収に伴う歯槽骨の高さと歯根表面積は比例しないことから支台歯としての負担能力を評価する際に注意が必要である(図2−3).
  • 咬合力に対する負担能力の観点から,欠損歯数が増えるに連れて支台歯数を増やす必要がある.
  • この場合欠損側のどちらか一方のみに支台歯を増やすのではなく,ポンティツクの両側に均衡のとれるように支台歯を設定する配慮が必要である(図2−4,5).
  • B.欠損歯数と支台歯数
  • b.支台歯の負担能力 
     ブリッジの設計に際しては,支台歯の負担能力の評価,すなわち支台歯をとりまく歯周組織の状態を十分に考慮して的確に判定することが求められる.
  • 臨床上,支台歯の機能時における負担能力を考慮しておく点としては,
  • ・1-支台歯となる歯の歯槽骨吸収程度
  • ・2-動揺度・歯根形態,
  • ・3-歯周疾患の罹患状態,
  • ・4-欠損部歯槽堤の位置関係や吸収程度,
  • ・5-咬合関係,
  • ・6-支台歯の植立位置・形態,
  • ・7-支台歯周囲の十分な口腔清掃とプラークコントロール,などが挙げられる.
  • a.支台歯の負担能力の減退につながる歯周組織の変化
     
  • 歯の喪失は,隣接する歯の欠損側への傾斜や対合歯の挺出を生じさせ,これにより歯間離開と隣接接触点の位置の変化,欠損側歯肉の炎症,歯周ポケットの形成,歯槽骨の吸収へと進むことが多い。
  • 支持能力が減少する理由としては,
  • 1-骨組織の破壊に伴って歯根膜線維の付着する骨の表面積が減少する。
  • 2-歯周組織,とくに歯根膜や歯槽骨の負担能力の減退が生じることが挙げられる。
     
  • 歯槽骨の吸収により臨床的歯冠長とl臨床的歯根長の関係に変化が生じる。
  • すなわち,セメント質に封入する歯根膜線維の付着面積が減少し,カの作用点が高くなる。
  • 支台歯の歯根膜線維における付着面積の割合と,支台歯の咬合力に対する負担能力とは関連している。
  • A.支台歯の評価

  • a.ブリッジとは歯を失った部分(喪失歯)を補うために,行う治療のことを言います。

歯周病のブリッジの設計

  • 上の図は下の(下顎)第一大臼歯6がない場合の絵です。1-入れ歯を入れるか,2-ブリッジを入れるか,3-インプラントを入れるか,3つの選択肢があります。いずれの治療もせず放置しておくと,次に述べる傾斜と挺出の問題を引き起こします。
  • 1-入れ歯の場合......両隣の歯牙を削らないので最善と思いがちですが、挺出と傾斜を招きます。
  • 2-ブリッジの場合.......両隣の歯牙を削るという欠点はありますが、最善の方法と思います。
  • 3-インプラントの場合......大臼歯の場合は1本のインプラントで上の歯に対抗するのはちと無理があり,インプラントを2本入れるか,他の歯と連結した方が無難です。相手が入れ歯であれば1本で対抗出来ます。

歯周病のブリッジの設計

  • 上の図のようなブリッジの被せを入れます。

歯周病のブリッジの設計

  • これはブリッジを被せ終わった状態です。

 b,挺出と傾斜

  • b,挺出と傾斜
  • 歯を失うと歯のない方へ傾斜したり、失った歯が上の歯であれば下の歯が上に上がってきたり,下の歯を失った場合は上の歯が下に下がったりします。
  • この2つの理由により歯肉にダメージを与えて歯周ポケットの形成,歯槽骨の吸収へと進むことが多いのです。
  • 2-物をかんだ時に力を支えてくれる隣の歯がないこと」、
  • 「1-空いた歯肉に直接物が当たって歯肉にダメージを与えてしまうこと、
  • このでこぼこの段差も物がつまりやすい原因の1つとなります。歯のない側に歯肉の炎症が起きるのは,
  • これを挺出といい,これにより歯と歯の間に隙間が出来て物がはさまりやすくなります。また,隣接している歯同士の接触点の位置が変化するので,歯並びがでこぼこになります。

歯周病のブリッジの設計

  • こういう状態を放置しておくと、下図のようになります。

ていしゅつ挺出

  • 上の図は,下の大臼歯6番がなくなって上の大臼歯6番が下に落ちてきた(挺出)ことを示しています。
    また,両隣の歯が内向きに倒れている様を示しています。
  • 歯の性質として(1)−歯は当たりを求めて挺出する。
  • 歯の性質として(1)−歯は当たりを求めて挺出する。これにより下の歯茎に当たるまで挺出します。歯茎は柔らかいですが、その位置で挺出し、歯茎にくいこむことはありません。
  • 歯の性質として (2)−奥歯は前に傾く。
  • 歯の性質として (2)−奥歯は前に傾く。小臼歯5番は隣在歯の奥歯6番がないため、側方力の影響で後ろに傾きます。虫歯で歯冠を失った歯は側方力の影響を受けないため自由に動き回り、前に動くとも後ろに動くとも言えません。理想の位置に戻ることもありません。残根の歯頚部が隣在歯と接していることが多く,歯冠修復が現状では不可能なので両隣在歯を削ることが多々あります。

ていしゅつ挺出

歯周病のブリッジの設計

 

歯周病のブリッジの設計

  • 大臼歯6番で物を噛んだとき,上下大臼歯6番に咬合力が発生します。受け止め力も発生します。この力の名称は上下が逆転しても構いませんし,同じことです。
  • 杭と同じように,歯も上下の力(垂直力)には強いのですが,横ぶれ(側方力=水平力)には弱いのです。杭であれば横ぶれを防ぐために土中深く入れれば事は済みますが,歯には限界があります。
  • この横ぶれの力をゆるめてやる(緩衝)働きをして呉れるのが,両隣の歯です。これに関しては「支持物の基礎-歯槽骨の深さと側方力の相関関係」で述べています。
 

支持能力が減少する理由として

  • 支持能力が減少する理由として,
  • 1-骨組織の破壊に伴って歯根膜線維の付着する骨の表面積が減少する。
     
  • 「臨床的歯冠長とl臨床的歯根長の関係に変化が生じる。カの作用点が高くなる。」
  • この事に関しては「D-4)-歯槽骨の深さと側方力の相関関係」で述べている。
  • 「支台歯の歯根膜線維における付着面積の割合と,支台歯の咬合力に対する負担能力とは関連している。」
  • ..........このことに関しては、余りにもお言葉ばかりで計数処理がないため患者さんに説明する根拠に乏しい。これに疑問を感じ,歯科医のため,患者さんのため,なんとか計数処理する方法はないものかと一念発起した次第である。しかし,私も年を取りすぎた。還暦を過ぎ,いつ死んでもおかしくない年になってしまった。

!!! End



制作著者情報

岡野歯科医院

〒571-0011
大阪府門真市脇田町17-1
TEL.072-881-7314
FAX.072-881-7395