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暫間固定の必要性shop info

暫間固定の必要性
  • 皆さんが歯が動いていると分かる歯は、大抵動揺度が2か3であり、そういう場合は暫間固定が必要です。
  • 「治癒を助けるために暫間固定は必要である。」ということをまず分かって頂きたい。
  • 市販の歯槽膿漏薬剤を塗って治そうとするのはまず無理。
  • その理由とは、

歯周疾患罹患歯に行う暫間固定法は?

  • 日本大学松戸歯学部/歯周病学教室 秋重成孝/福井美代子/桐野忠昭
    126頁 デンタルダイアモンド増刊号vol.8 no.14  トータルな歯周疾患の処置100問100答 昭和58年12月1日発行

 固定法の必要性

  • 健康な状態での歯周組織は,口腔の形態と機能とに適応して,顎口腔系の調和を維持する担い手として働いている。
  • しかし,この調和が崩れると,口腔の最大の機能の一つである咬合力によっても歯周組織は破壊される。
  • 歯周疾患と咬合との関係は,古くはBonwi11(1867)によって指摘されている。
  • そして,Karolyi(1901,1902)が負担軽減法を,また,Stillman(1917)により外傷性咬合の概念が提唱されて以来,検索や研究が行われてきた。
  • 歯周疾患に罹患した歯は支持力が低下するために,多少なりとも歯周組織の抵抗力が減弱し,動揺を来すようになる。
  • そのため,以前は生理的なものとして順応していた咬合力が,歯周組織に外傷的な作用を及ぼすことになる。このような,炎症性の病変が存在する歯周組織に起こる2次的咬合性外傷では,炎症と外傷性咬合とが共同破壊因子となって,炎症性浸潤が急激に増悪することが報告されている(Gilckman;1967)
  • 固定法は,歯周組織の安静をはかるために,2歯またはそれ以上の歯を連結固定して一塊として機能させることで,咬合力や咀嚼力を分散させ,動揺歯に作用する力を生理的範囲内に収めようとするものである。固定法の目的は次の通りである。
  • ・歯周外傷に対する組織の修復治癒を促進させるために,支持組織の安静を確保する。
    ・歯の動揺を減少させる。
    ・動揺歯を安定させ,食片圧入を防止する。
    ・歯の移動を予防する。
    ・咀嚼機能を改善する。
    ・不快感や疼痛を除去する。
暫間固定法の目的
  • 暫間固定法は,診断や予防処置,そして,外科処置を行う際に,操作の便宜をはかるために使用されることもあるが,
  • 原則的には,相対的正常形態を回復した歯周組織が,口腔の機能に順応,調和させるために,組織の安静を保ち治癒を促進させることが必要な症例に適応される。
  • また,動揺が強く,予後が疑わしい歯の予後判定の目的で用いられたり,矯正治癒後の保定や,異常習癖に対して歯周組織の安静を得るために使用されたりもする。
  • 暫間固定法の適応期間は,症例により大きな差異が存在するが,一般的な規準として,最低1ヵ月は必要であり,1〜2ヵ月毎に装置を除去して経過観察を行い,
  • 6ヵ月が限度と考えるべきである。
固定法の必要性
  • 固定法の必要性
  • 固定法は,2歯またはそれ以上の歯を連結固定して一塊として機能させることで,動揺歯を安定させたり,食片圧入を防止したり,歯の移動を予防したりする。また、咬合力や咀嚼力を分散させ,動揺歯に作用する力を生理的範囲内に収めることによって,歯周組織の安静をはかり組織の修復の促進を図る。
暫間固定法の目的
  • 暫間固定法の目的
  • 炎症状態にある組織の炎症を鎮めるには--(1)-絶対に安静状態が必要。そのためには(2)-対合歯(噛み合わせの相手同士-上の歯の対合歯は下の歯,下の歯の対合歯は上の歯)を削って当たらないようにするか。(3)-歯が動かなくなるまで連結(隣同士の歯をレジン(プラステック)でくっつけて歯をつなぐこと)する。
  • 基本中の基本---安静状態が確保出来ないと炎症は収まらない。

  • 絵で説明すると、
  • 健康状態の歯周組織に炎症が起きると,

暫間固定の必要性

  • 歯周組織が炎症すると,歯が浮いて通常の位置より高くなる。


暫間固定の必要性

  • だから他の歯より一番早く対合歯に当たる。だから(1)の歯を削って対合歯に当たらないようにする。
  • 安静状態を確保するために。上の歯は炎症が収まっても飛び出しやすい傾向があるので,隣の歯とレジンで連結するか,被せで連結した方が良い。
  • 下の歯は上の歯で押さえつけられているので,炎症が収まれば飛び出すことはない。痛みがない慢性炎症を放置しておくと,歯並びが乱れてくる。

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